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社長コラム

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2012年11月08日掲載
ベンチャーの特許よもやま話(1話)

わが社は、日本・韓国・中国・米国にて触覚センサに関連する特許を取得しています。「小さな企業でありながら、海外を含めて、よく4か国も特許を取得しておられますね」、「特許を取得しても、管理や費用が大変でしょう」、「果たして、1つの特許で効果はあるのですか」しばしばお話をいただく通り、小さなベンチャー企業にとってはいずれも大変なコストのかかる作業です。

今回のコラムは連載コラムの第1話目です。です。全4話に分けて「特許の登録までの道のり」、「ひとつの特許でいかにして戦うかという取り組みの方法」、「委託する協力会社とWin-Winを築く手法」、「米国特許の英語表現の難しさ」等の、ベンチャー企業の特許に関連する”よもやま話”を掲載します。第1話では、特許登録までの道のりのよもやま話にお付き合いください。

2005年に当社を創業する以前のことです。特許のアイデアを持って、大阪の某I特許事務所を訪れました。私は以前の会社の在職中に50件以上の特許を出願しており、特許登録に至ったものも20件近くになります。1つのアイデアで起業をめざし、かなり詳しい明細書を作ったうえで相談に行きました。相談の目的は、特許請求範囲を見ていただくことと、他の特許に抵触しないかどうかを確認いただくことでした。

特許事務所の所長へご相談すること約10分。私は
「君のようなベンチャー企業のアイデアは何万とみてきたが、成功したものはひとつもない。やめたほうがよい。私は1時間で5万円の相談料をもらっているが、どうしますか」
と言われました。あまりの話であったため
「私は、1時間で10万円の価値を生み出せます」
とお話すると、
「いやな奴とは飯も食いたくない!」
と。「(今に見ていろ)」、と思いながら事務所をあとにしてきました。

その足でもう1社の特許事務所にお伺いしたところ、先ほどの事務所とは全く違い、快くご相談に応じていただくことができました。また「ベンチャー企業の特許出願にはこのような制度を利用できます」と、優遇制度についてもご説明いただき、特許費用も大幅に割引をしていただきました。この一日のできごとは、7年以上経った今でも忘れられない経験です(現在も、当社の特許はこの特許事務所様に管理していただいています)。

このように志を抱いて起業を計画するも、不安になるもの。しかし、一滴のしずくでも、何回もぶつかり、岩をも削る水となり、多くの水が合流して大海にそそぎます。たとえ1人でも、1つのアイデアでもあきらめず、岩を砕く意思を持ち、ともに進む多くの仲間と、多くのアイデアを創造し、大海を目指そうと心に誓っている。

(次回、連載第2話では、1つの特許で戦う当社の工夫・取り組みについて掲載します。)

2012年01月24日掲載
大切なもの

自分と周囲との交わりの中で、どんな考え方を大切にし、どう生きるべきか。コラムを掲載しました。

「あなたは、何が最も大切ですか」と問われたら、何と答えるだろうか。

最愛の子供という方もおられます。両親、配偶者、それともお金、財産、あるいは自分、と答える方もおられるでしょう。自分がいなければ、自分が健康でなければ、何かを愛することはできないし、何かを大切にすることもできない。であれば、あなたにとって「最も大切なもの」は、自分自身ではないでしょうか。

最近、お客様から「マンダラ思考」について教えていただきました。マンダラ思考では、「生きる上で、自己依存でもなく相手依存でもない、相互依存が重要である!」という考え方をもとに、9マスの中心に自分の夢、その周りに自分の夢に影響する事項を書いていきます。それぞれの事項が影響し合って自分の目標・夢の達成へ向かう、ということを意識する思考法です。皆様の場合には、どんな9マスになるでしょうか。

9マスの中心にくるもの:「最も大切なもの」が自分自身であっても、その自分自身は、周囲の人々があるからこそ、大きくも小さくもなります。周囲の人々が変わるだけで、自分自身の存在価値が無くなったりもします。「どれだけの相手と交われるか、さらには、交わるだけの価値を蓄積できているか」、その機会が多いほど、自分の存在価値が上がっていくように思います。

がむしゃらに走った20代、仕事に没頭した30代、周りに誰もいないと感じた40代。どれだけの人に影響され、影響を受けてきたか。いつも、それが問われているように思います。

2011年12月11日掲載
ハイテク産業は儲からない?

ハイテク産業であればこそローテクに対する意識が大切であるという思いから、コラムを掲載しました。

ハイテク製品だけでなく、ローテクの製品は未だに根強い人気がある。

電子黒板(インタラクティブ・ホワイトボード、電子情報ボード)についても同様である。電子黒板の場合、パソコンの画面をプロジェクタでホワイトボードに投影したり、液晶画面に映し出したりして、その画面を指でタッチして画面を操作する。しかし、電子黒板用のホワイトボードといえども、通常のホワイトボードと同じく、ペンやマーカーで筆記書きをできるものの需要も根強い。多くの人々は、通常のホワイトボードのほうが親しみ深いであろう。電子黒板のようにハイテクなホワイトボードであっても、パソコンを接続することなく最低限ホワイトボードとして使える、ハイテクとローテクの両方の機能を備えた製品が求められている。さらに、ペンも電子黒板専用の特殊なものではなく、普段から使っているマーカーが使用可能であればなお良いし、そのようなご要望もよくお聞きする。

ローテクな機能を備えながらも、インターネット・映像を見たいときにちょっと操作をすればパソコンと接続して画面を投影できる…そんなハイテクな機能も備えている製品。当社は世界初の3Dセンサを開発したが、多くの人々にとって親しみ深いのはローテクの機能。そうであればこそ、ハイテク製品になじみのない人々にとっても親しんでもらえるようなユーザーインターフェースが必要であると感じる。ユーザーが使いたいと思えるような製品でなければ、ハイテク製品もただのガラクタにしかならない。